Classici giapponesi con furigana
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それから
それから
Leggi それから di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 172.794 caratteri · 347 schermate
梅子は少しつんとした。
「貴方は近頃余っ程減らず口が達者におなりね」
「何、姉さんが辟易する程じゃない。――時に今日は大変静かですね。どうしました、子供達は」
「子供は学校です」
十六七の小間使が戸を開けて顔を出した。あの、旦那様が、奥様に一寸電話口までと取り次いだなり、黙って梅子の返事を待っている。梅子はすぐ立った。代助も立った。つづいて客間を出ようとすると、梅子は振り向いた。
「あなたは、其所に居らっしゃい。少し話しがあるから」
代助には嫂のこう云う命令的の言葉が何時でも面白く感ぜられる。御緩と見送ったまま、又腰を掛けて、再び例の画を眺め出した。しばらくすると、その色が壁の上に塗り付けてあるのでなくって、自分の眼球の中から飛び出して、壁の上へ行って、べたべた喰っ付く様に見えて来た。仕舞には眼球から色を出す具合一つで、向うにある人物樹木が、此方の思い通りに変化出来る様になった。代助はかくして、下手な個所々々を悉く塗り更えて、とうとう自分の想像し得る限りの尤も美くしい色彩に包囲されて、恍惚と坐っていた。所へ梅子が帰って来たので、忽ち当り前の自分に戻ってしまった。