Classici giapponesi con furigana
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たねこのゆううつ
たね子の憂鬱
Leggi たね子の憂鬱 (たねこのゆううつ) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3606 caratteri · 8 schermate
そのうちに稽古をしろと言うんだ。」
「じゃあなた、あしたの日曜にでもきっとどこかへつれて行って下さる!」
しかし夫は何とも言わずにさっさと会社へ出て行ってしまった。たね子は夫を見送りながら、ちょっと憂鬱にならずにはいられなかった。それは彼女の体の具合も手伝っていたことは確かだった。子供のない彼女はひとりになると、長火鉢の前の新聞をとり上げ、何かそう云う記事はないかと一々欄外へも目を通した。が、「今日の献立て」はあっても、洋食の食べかたなどと云うものはなかった。洋食の食べかたなどと云うものは?――彼女はふと女学校の教科書にそんなことも書いてあったように感じ、早速用箪笥の抽斗から古い家政読本を二冊出した。それ等の本はいつの間にか手ずれの痕さえ煤けていた。のみならずまた争われない過去の匂を放っていた。たね子は細い膝の上にそれ等の本を開いたまま、どう云う小説を読む時よりも一生懸命に目次を辿って行った。
「木綿及び麻織物洗濯。ハンケチ、前掛、足袋、食卓掛、ナプキン、レエス、……
「敷物。畳、絨毯、リノリウム、コオクカアペト……
「台所用具。陶磁器類、硝子器類、金銀製器具……」