Classici giapponesi con furigana
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ちいさこべ
ちいさこべ
山本 周五郎
Leggi ちいさこべ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.480 caratteri · 67 schermate
たいていはそれで片づくのだが、条件が悪いとか、他人の厄介になるのを嫌う者は、浮浪児になってしまう。いまうちにいるのもそういう子供たちで、元の住所のわかっている子は、みなおりつがその町内へいってみた。しかし子供は「死んだってあんな処へは帰らない」と云うし、町内でも引取りたがらない。中には「あんながきはまっぴらだ」などと云う者さえあった。
話を聞きながら、茂次はおりつのようすを見ていた。
彼女は十八になる。父親の平六は左官の手間取だったが、おりつが七つの年に仕事先で梯子から落ち、背骨を挫いて寝ついたまま、まる八年も病んで死んだ。そのあいだ、母親のおいくはあらゆることをして稼いだ。人夫までやったそうで、平六が死んだあとは、彼女もまたすっかり弱っていた。それを茂次の母が聞いて、勝手仕事の手伝いに雇ったのであるが、そのちょっとまえに、おりつは茶屋奉公に出ていた。医薬代が溜まっていて、ふつうの内職などでは片づかなかったからであろう、浅草並木町の「天川」という、かなり大きな料理茶屋へ住込みではいった。――茂次はずっとまえからおりつを知っていた。小さいころは痩せた小柄な躯つきで、色があさぐろく、眼が大きかった。