Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ちいさこべ

ちいさこべ

山本 周五郎

Leggi ちいさこべ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.480 caratteri · 67 schermate

Aozora Bunko

「おまえが七つならおれは十二だろう、そんな年で女の子をぶつなんてことが、――」そこで茂次はあとが続かなくなった。

「ね」とおりつが眼で笑った、「思いだしたでしょ」

彼は思いだした。彼を見かけるたびにおりつがからかう、どうからかわれたかはもう忘れたが、度たびからかわれるので、いちど、捉まえてぶったことがあった。そうだ、あのときこいつは涙をこぼした、と茂次は思った。手向いもせずに、大きな眼でこっちを見て、その眼から涙をぽろぽろこぼした。

「あれは」と茂次は気まずそうに云った、「あれはおめえが悪いんだ、おれの顔を見るたびにからかったからだ」

「覚えてるわ」とおりつが云った、「あたしあんたのこと、若棟梁のこと好きだったのよ、それで、あんたにかまってもらいたくってわる口を云ったらしいの、だから、そのあとわる口なんか云ったことはなかったでしょ」

「子供ってやつはむずかしいもんだ」

「そうね」とおりつが云った、「菊二のことも気をつけるわ」

その月の十五日の休みに、子供たちを伴れて道灌山へ遊びにいった。おりつとおゆうとで握り飯や海苔巻をつくり、お菜の重詰めも拵えた。片道一里半ちかくあるので、くろもいっしょに伴れてゆき、あっちゃん始め、市や伝など、小さいのが疲れると、茂次とくろとで背負ってやった。