Classici giapponesi con furigana
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きつねつき
ちくま日本文学012 中島敦
Leggi ちくま日本文学012 中島敦 (きつねつき) di Nakajima Atsushi (中島 敦) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9136 caratteri · 19 schermate
それだけでは慊焉たらず、今度は、半年前に崩じた先王アメシスの屍を辱しめようと考えた。カンビュセスが含む所のあったのは、むしろアメシス王の方だったからである。彼は自ら一軍を率いて、アメシス王の廟所のあるサイスの市に向った。サイスに着くと、彼は、故アメシス王の墓所を探出し、その屍を掘出して、己の前に持って来るよう、一同に命令した。
かねてかかる事のあるべきを期していたものとみえ、アメシス王の墓所の所在は巧みに晦まされていた。波斯軍の将士はサイス市内外の多数の墓地を一つ一つ発いて検めて歩かねばならなかった。
さて、パリスカスも、この墓所捜索隊の中に加わっていた。他の連中は、埃及貴族の木乃伊と共に墓に納められた無数の宝石、装身具、調度類の掠奪に夢中になっていたが、パリスカスだけは、そんなものには目もくれず、相変らず沈鬱な面持で、墓から墓へと歩き廻っていた。時々その暗い表情のどこかに、曇天の薄れ陽のような明るみが射しかけることもあるが、それはすぐに消えて、また、元の落著のない暗さに戻ってしまう。心の中に、何か、ある、解けそうで解けないものが引掛っているような風である。