Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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つぼみ

つぼみ

宮本 百合子

Leggi つぼみ di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.918 caratteri · 44 schermate

Aozora Bunko

こんな事を私の母はお互に顔も合わせなければ手紙も出さないで居るのを見て云った。

「私は彼の人をよく知ってますもの……一年や二年顔を見ないったって忘れちまう様な――すれちがった気持になる様な人ならもうとっくにさようならをしてます」

不安心もなく何と云われても斯う云い切る事の出来るほど私は彼の人を信じて居るし又彼の人も私と同じ位――又より以上に信じて居て呉れると云う事を私は知って居た。

伯父さんは絵書きで――自分でも絵や、本や、文学のすきなあの人は、口ぐせの様に、「私がするんなら、役者か、絵かきか文学者になるんだ」と云って居た。私はどれに御なんなさいとも云わなかったし、又おきめなさいとも云わなかった。

そして、私の方はいつもの気まぐれで去年の暮ごろから一寸も会う時がなかった。

三月頃に一寸電話をかけてよこして「この頃、私大事業を起したんだから」なんて云って居たっきり、別に私も気にかけなかったし、自分の用事がたまって居たんで苦しい事をして会おうとは思って居なかった。

それから、時々、美術学校へ行く伯父さんに会ったりして、ただたっしゃで居ると云う事だけは知って居た。