Classici giapponesi con furigana
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つぼみ
つぼみ
宮本 百合子
Leggi つぼみ di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.918 caratteri · 44 schermate
やんちゃのようなはな声で御仙さんはこんな事を云って私の方に身をすりよせて来た。
「何うして?」
「何んやらこわらしゅうて」
子供のようなことを云う人だと思いながら私は手をそっと御もちゃにしながら、
「そいじゃ、あっちに行きましょう皆の居るところへネ」
私は仙さんの手をひいてうすくらい廊下をつたわって茶の間に行った。御せんさんはそこをあるくんでもすりあしをしてあるいた。
「あんた夜電燈もたずにおあるきやはるの?」
「うちんなかを」
「エエ、私なんかどけいこにもぼんぼりもって行きまっせ」
「マア、随分、御つぼちゃんだ事」
私はこんな事を云いながら大きな笑で笑った。御仙さんもかるくはにかんだように笑いながら私の手にしっかりつかまってすかすようにしてあるいて居る。
「おせわさまどした」
おまきさんは煙草をつめながら障子をあけた私達のかおを見て云った。
それから四人丸く坐って祇園のまつりのはなしや、加茂の夕涼やまだ見た事のない京都の様子を御まきさんにはなしてもらった。
その間御せんさんはおっかさんの体にもたれかかってその眉のあたりを見ながらはなしをきいて居る。
御はんの時も御せんさんは御つぼ口をしてたべた。