Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とんだやのきゃく

とんだ屋の客

田中 貢太郎

Leggi とんだ屋の客 (とんだやのきゃく) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2531 caratteri · 5 schermate

Aozora Bunko

老妓はそこで四人前の切符を買ってそれぞれ手渡ししたが、若旦那の傍にいるのが淋しいので、一方の客の方へ往って話していて、汽車が着いてから若旦那の方へ往った。

若旦那はこれからもう一軒往ってたしかめると云うので、今度はとんだ屋の前の丸万へ往った。丸万は入りごみの客のある料理屋であるから、其処ではどんなことになるだろうと思って、皆がまた好奇の眼をあつめていると、やっぱり五人前の蒲団を持って来た。

「やっぱり憑いている」

わけて老妓は銀杏返に結った怪しい女がそばにいるようで体がぞくぞくした。蒲団の後から料理の皿を持って来たが、それも五人前ずつ持って来た。もう憑きものをたしかめることはたくさんであるから、そこそこに引きあげてとんだ屋へ帰って大騒ぎをした。とんだ屋には汽車でいっしょになった客の一行もいて騒いでいたから、老妓は念のためにと思って、其の客に、

「さっき、私達は、幾人おったと思います」と云ってみた。すると其の客は、

「五人いたじゃないか、どうしたのだ」と云った。