Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひょっとこ

ひょっとこ

芥川 竜之介

Leggi ひょっとこ di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5838 caratteri · 12 schermate

Aozora Bunko

などと、すすめられても、冗談に紛らせて逃げてしまう。それでいて、少しお神酒がまわると、すぐに手拭をかぶって、口で笛と太鼓の調子を一つにとりながら、腰を据えて、肩を揺って、塩吹面舞と言うのをやりたがる。そうして、一度踊り出したら、いつまでも図にのって、踊っている。はたで三味線を弾いていようが、謡をうたっていようが、そんな事にはかまわない。

ところが、その酒が崇って、卒中のように倒れたなり、気の遠くなってしまった事が、二度ばかりある。一度は町内の洗湯で、上り湯を使いながら、セメントの流しの上へ倒れた。その時は腰を打っただけで、十分とたたない内に気がついたが、二度目に自家の蔵の中で仆れた時には、医者を呼んで、やっと正気にかえして貰うまで、かれこれ三十分ばかりも手間どった。平吉はその度に、医者から酒を禁じられるが、殊勝らしく、赤い顔をしずにいるのはほんのその当座だけで、いつでも「一合位は」からだんだん枡数がふえて、半月とたたない中に、いつの間にかまた元の杢阿弥になってしまう。それでも、当人は平気なもので「やはり飲まずにいますと、かえって体にいけませんようで」