Classici giapponesi con furigana
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ほうきいっぽん
ほうき一本
宮本 百合子
Leggi ほうき一本 (ほうきいっぽん) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 2198 caratteri · 5 schermate
「生活が苦しいのは収入が足りないからであるというが」「われわれが苦しいと思うのはほしいものを買えないことである」「国民全体としてみれば、金を出しても物はふえない。物がふえなければ日本銀行券が二倍になっても三倍になっても、余分なものがかえるわけではない」
まず和田長官の「ほしいもの」という目安が知りたい。チリ紙、シャボン、マッチ、脱脂綿、ノート一冊からはじまる学用品のあれこれ、みんななくてはならない「ほしいもの」である。丸公でこれらは買えない。都留副長官が恐縮のいたりとして認めている。わたしたちは、キツネの襟巻がほしいだの、五千円のおもちゃを買いたいなどと思ってもいない。年のくれに新聞は何と報道していただろう。銀座その他には数千円の贅沢品があふれていて、飛ぶように売れているが、生活必需品の購買力はガタ落ちだと、はっきりいっている。新しいナベがいる、ほうきがいる。ほうき一本三百円もする。「ほうきがほしいわねえ」という主婦の言葉はそれが買いにくいからこそである。買えれば、さっさと黙って買うだろう。ほしいものというものは、きょうの勤労者の実際では、和田長官が、しつけのわるい子供をしかりでもするようにいっている内容とはまるで違う。