Classici giapponesi con furigana
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みずぐるま
みずぐるま
山本 周五郎
Leggi みずぐるま di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.077 caratteri · 54 schermate
しかし、まもなく権之丞という若者が来た。二十歳になる背の低い男で、綱渡りを芸にしている。男ぶりもぱっとしないし、ひどい吃りで、身ぶり手まねなしには話ができなかった。
「だめよ来ちゃあ」若尾が振返って云った、「男なんかの見るもんじゃないわ」
「親方が呼んでるよ」吃りながら権之丞が云った、「客が来たんだ、楽屋で、若ぼうを呉れってさ、お侍だぜ」
「たくさんだわ、いないって云ってよ」
「すぐに来いってさ」権之丞は顔を赤くし、唇を筒にして吃った、「お侍は帰った、三日も若ぼうの舞台を、続けて見に来たんだってよ、三日も続けてよ、それから養女に貰いてえって来たんだってよ、おめえゆくのかい」
「知るもんですか、そんなこと」
「ゆかねえでくれよ」権之丞は手を振り、唾をとばしながら云った、「若ぼうがいっちまうと、おれたちが淋しくなる、ほんとだぜ、おめえは、みんなの大事な若ぼうだからな、頼むからどこへもゆかねえでくれよ」
「ごしょうだから黙っててよ、庄ちゃんの気が散って産めやしないじゃないの」若尾は、もっと前へ跼んだ、「――さ、もうひと辛抱よ、おなかの中で赤ちゃんが動いてるでしょ、もうすぐだからがまんして」