Classici giapponesi con furigana
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めおとちょう
めおと蝶
山本 周五郎
Leggi めおと蝶 (めおとちょう) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.977 caratteri · 47 schermate
」
「――よい御首尾を、お祈り致します」
「大丈夫やってみせます、では、……こんどは天下晴れてお会いしに来ますよ」
避けるひまもなく信乃の手を取り、それをかたく握って、知也は静かに笑った。
裏口から彼を送りだすなり、信乃は間を計って玄関へゆき、障子をあけて門のほうを見た。脇の小部屋から若い家士がなにごとかと出て来たが、手を振るとすぐに引込んだ。そのとき前庭へ知也が現われた。雨合羽を着、笠をふかく冠って、前跼みにすたすたと門のほうへゆく。……信乃は息が詰ってきた。心のなかで合掌し、神に祈った。
知也は無事に門を出ていった。
「――済んだわ」
居間へ戻った信乃は、文代にこう云うなり、くたくたとそこへ坐って、虚脱したように溜息をつき、もういちど低く茫然と呟いた。
「――すっかり済んだわ」
文代は昏れ方までいた。雨は雪になったが、その雪のなかを借りた提燈を供に持たせて帰っていった。人の出入りもあり時間も経っていたので、門番は気がつかなかったらしい。べつに不審されることもなかった。
年を越えるとすぐ、江戸から使者が来て、井巻済兵衛は待命になり、次席の渡辺主税が国家老を代行することになった。