Classici giapponesi con furigana
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めおとちょう
めおと蝶
山本 周五郎
Leggi めおと蝶 (めおとちょう) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.977 caratteri · 47 schermate
できなかった、……上村には才能もあり出世もしたけれど、心からの友達もない――誰にも好かれていない、いつもみんなから敬遠されていたわ、――慰めもなく、孤独で、ほかの方のように妻を愛することもできない、本当にさびしい気の毒な人だったのよ」
「よくわかるわ、お姉さま、上村さまのことはよくわかってよ」
こう云って文代は姉の手を押えた。
「でもあの方がお気の毒だからといって、そのためにお姉さまの一生を不幸にすることはないわ、知也さまはお姉さまを愛していらしった、これまで独り身でいらしったのもそのためとはお思いにならない、……お姉さまが上村と縁が切れて、こんどの騒ぎがおちついて、一年でも二年でも経ったら、お姉さまを嫁に迎えたいって、……このあいだからお兄さまや母さまと御相談なすっていますわ、知也さまは今でもお姉さまを愛していらっしゃる、そしてお姉さまも知也さまをお好きな筈よ、本当におしあわせになる時が来ているんじゃありませんか、お姉さま、……お願いよ、文代のお願いよ、御自分をどうぞ不幸になさらないで」
「ありがとう、うれしいわ文代さん」信乃は片手の指で眼を抑えた。