Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆうれいかしや

ゆうれい貸屋

山本 周五郎

Leggi ゆうれい貸屋 (ゆうれいかしや) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.320 caratteri · 42 schermate

Aozora Bunko

毎晩どこかから料理と酒を持って来て、勝手なことをしゃべりながら飲んで食べて、それから外の白みかかるまで、身にこたえないのと金の草鞋がせえをだす。これが連日続いた。

「明日の晩は橋善のてんぷらといくか、それに長寿庵の小田巻なんぞ悪かあねえぜ」

どの店のどんな料理でも望みしだい、おまけに唯ときているから好きなことが云える。かてて加えてお染ゆう女、粋で利巧でてくだがあって、仕事をしろなぞとは決して云わない。

「夢ならどうかさめねえでくれ」

極楽でもこうはゆくまいと、弥六はほくほくと喜んでいた。近所の者は誰も気がつかない、いちど隣りの女房のお勘が、心配そうな顔をして次のようにきいた。

「弥六さん、このごろ毎晩ひどくうなされるようだけれど、どこか体でも悪いんじゃないのかえ」

「そうかい、うなされるかい」彼はにやにや笑いながらそう答えた、「それじゃあきっと、あれだ、お勘さんが毎晩うなされるんで、そいつがおれにうつったに違えねえ」

お勘は赤くなって、あらいやだ、などと云って逃げだしたが、それからは彼女もなんにも云わなくなった。家主からは相変らず米や味噌を届けて来る、小銭を置いてゆくこともあるが、来れば必ず小言であった。