Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ろまんどうろう

ろまん灯籠

太宰 治

Leggi ろまん灯籠 (ろまんどうろう) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 37.222 caratteri · 74 schermate

Aozora Bunko

と人が変ったような威厳のある口調で病床のラプンツェルに呼びかけました。「母が一生に一度の、難儀の魔法を行います。お前も、しばらく辛抱して!」と言うより早くラプンツェルに躍りかかり、細長いナイフで、ぐさとラプンツェルの胸を突き刺し、王子が、「あ!」と叫ぶ間もなく、痩せ衰えて紙ほど軽いラプンツェルのからだを両手で抱きとって眼より高く差し挙げ、どぶんと大釜の中に投げ込みました。一声かすかに、鴎の泣き声に似た声が、釜の中から聞えた切りで、あとは又、お湯の煮えたぎる音と、老婆の低い呪文の声ばかりでありました。

あまりの事に、王子は声もすぐには出ませんでした。ほとんど呟くような低い声でようやく、

「何をするのだ! 殺せとは、たのまなかった。釜で煮よとは、いいつけなかった。かえしてくれ。私のラプンツェルを返してくれ。おまえは、悪魔だ!」とだけは言ってみたものの、それ以上、老婆に食ってかかる気力もなく、ラプンツェルの空のベッドにからだを投げて、わあ! と大声で、子供のように泣き出しました。

老婆は、それにおかまいなく、血走った眼で釜を見つめ、額から頬から頸から、だらだら汗を流して一心に呪文をとなえているのでした。