Classici giapponesi con furigana
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わがまち
わが町
織田 作之助
Leggi わが町 (わがまち) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 93.840 caratteri · 186 schermate
内地では食事自弁で、五六十銭が精一杯だった。一ペソは一円に当る。しかも、ベンゲットでは食事、宿舎、医薬はすべて官費だということだ。
けれど、来て見ると、宿舎というのは、竹の柱に草葺の屋根で、土間には一枚の敷物もなく、丸竹の棚を並べて、それが寝台だ。蒲団もなく、まるで豚小屋であった。
食物もひどかった。
虫の喰滓のような比島米で、おまけに鍋も釜もないゆえ、石油鑵で炊くのだが、底がこげついても、上の方は生米のまま、一日一人当り一ポンド四分ノ三という約束の量も疑わしい。
副食物は牛肉又は豚肉半斤、魚肉半斤、玉葱又はその他の野菜若干量という約束のところを、二三尾の小鰯に、十日に一度、茄子が添えられるだけであった。
たちまち栄養不良に陥ったが、おまけに雨期になると、早朝から濡れ鼠のまま十時間働いてくたくたに疲れたからだで、着がえもせず死んだようになって丸竹の寝台に横たわり、一晩中蚊に食われているという状態ゆえ、脚気で斃れる者が絶えなかった。
三十七年の七、八、九の三ヵ月間に脚気のために死んだ者が九十三人であった。平均一日に一人の割合である。なお、マラリヤ、コレラ、赤痢で死ぬ者も無論多かった。