Classici giapponesi con furigana
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わがまち
わが町
織田 作之助
Leggi わが町 (わがまち) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.869 caratteri · 52 schermate
」
客は椅子の上に仰向けになったまま、他吉の手からその手紙を受け取ったが、すぐ、
「わいにも読めんわ。えらい鈍なことで……。」
と、減法背の高い高下駄をはいた見習い小僧にそれを渡して、「お前読んでみたりイ。」
「へえ。」
そして、読みだした小僧の声は、筑前琵琶の音に消されたが、肝腎のところは他吉の胸に熱く落ちて来た。マニラへ行っていた婿が風土病の赤痢に罹って死んだと、部屋を貸している人からの報らせだ。瓦斯灯がはいって、あたりはにわかに青い光に沈んだ。理髪店の大鏡に情けない顔を蒼弱くうつして、しょんぼり表へ出ると、夜がするする落ちて来た。
それから半時間も経ったろうか、他吉はどこで拾ったのか、客を乗せて夜の町を走っていた。通天閣のライオンハミガキの広告塔が青く、赤く、黄色く点滅するのがにじんで見えた。客は他吉の異様な気配をあやしんで、
「おやっさん、どないしてん? 泣いてるのんと違うか。」
「泣いてまんねん。」
「えッ。こらまたえらい罪な俥に乗ってしもたもんや。これから落語ききに行こちゅうのに……。一体どないした言うねん?」
「娘の婿めがマニラでころっと逝きよりましてな。