Classici giapponesi con furigana
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エトナ
エトナ
野上 豊一郎
Leggi エトナ di 野上 豊一郎 (のがみとよいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8454 caratteri · 16 schermate
それでガラテアは彼を川に変形させてその愛をつづけた。
他愛もない童話のような伝説ではあるが、ホメーロスの美しい詩を読んだ者には、その伝説の場所を通ったことがわけもなくうれしくなる。何千年か以前にオデュセウスが十年間の漂泊をしていたのも、こういった明るい美しい海岸から海岸を伝って行ったのかと思うと、ホメーロスの幻想が急に生き返り、おぼろになった詩の世界へ久しぶりで引き戻されるように感じられた。
そういえば、もう通り過ぎてしまったが、カターニアを出ると間もなく、七つの島よりもずっと手前に、熔岩流の流れ込んだ小さい入江があった。今はオニナの入江と呼ばれているそうだが、古代からの言い伝えでは、オデュセウスが舟を着けた処だということになっている。それは、タオルミーナの手前の、昔のナクソスの遺跡を越した所にジャルディニの入江というのがあって、一八六〇年八月十八日にガリバルディの一行がカラブリアを指して船出した所だと教えられたのと同様、私にはそれも真実に思われた。一つは歴史の真実であるに対し、他は詩の真実であるというだけの差違である。
(昭和十三年―十四年)