Classici giapponesi con furigana
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オカアサン
オカアサン
佐藤 春夫
Leggi オカアサン di 佐藤 春夫 (さとうはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9831 caratteri · 20 schermate
ともかくも留守宅は有福に暮しているのです。子供たちはいつもおやつにはお菓子とくだものとを充分にいただいている。ロオラはいつもおすそ分けに預かっている。小犬と鶏と鸚鵡とにつれづれを慰められる子供と奥さんとは、いつも主人の帰りを待っているのです。そうだ――
「ワタシ、オトナシクマッテルワヨ」――
子供たちはお父さんにそういうのです。お父さんによく言う言葉を子供たちはお友達の鸚鵡に教えたのです。
時たま帰る主人は子供たちを愛し奥さんを愛するのに忙がしいので、鸚鵡などは相手にしないのです。むしろ、主人が帰るとロオラはみんなから閑却されるのでしょう。そうしてロオラは主人に馴れるひまもなく、また好まないのです。
またその主人が外国航路の船員だということになると、この鸚鵡が「オタケサン」という通り名の外に、ロオラという外国流の名前を持っているわけもはっきりするのです。外国でそういう名を持っていた鳥を主人自身が自分の船に乗せて、家庭への土産に持って来たのです。
「ね、この鳥の名はロオラというのだよ」
「おや、そうですか。可愛いわね、ロオラや」
その時、夫と妻とはそういう会話をしたことをわたしは考えることが出来るのです。