Classici giapponesi con furigana
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カインのまつえい
カインの末裔 クララの出家
有島 武郎
Leggi カインの末裔 クララの出家 (カインのまつえい) di 有島 武郎 (ありしまたけお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.864 caratteri · 93 schermate
クララはふと眼をあげて祭壇を見た。花に埋められ香をたきこめられてビザンチン型の古い十字架聖像が奥深くすえられてあった。それを見るとクララは咽せ入りながら「アーメン」と心に称えて十字を切った。何んという貧しさ。そして何んという慈愛。
祭壇を見るとクララはいつでも十六歳の時の出来事を思い出さずにはいなかった。殊にこの朝はその回想が厳しく心に逼った。
今朝の夢で見た通り、十歳の時眼のあたり目撃した、ベルナルドーネのフランシスの面影はその後クララの心を離れなくなった。フランシスが狂気になったという噂さも、父から勘当を受けて乞食の群に加わったという風聞も、クララの乙女心を不思議に強く打って響いた。フランシスの事になるとシッフィ家の人々は父から下女の末に至るまで、いい笑い草にした。クララはそういう雑言を耳にする度に、自分でそんな事を口走ったように顔を赤らめた。
クララが十六歳の夏であった、フランシスが十二人の伴侶と羅馬に行って、イノセント三世から、基督を模範にして生活する事と、寺院で説教する事との印可を受けて帰ったのは。この事があってからアッシジの人々のフランシスに対する態度は急に変った。