Classici giapponesi con furigana
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カキツバタいっかげん
カキツバタ一家言
牧野 富太郎
Leggi カキツバタ一家言 (カキツバタいっかげん) di 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5735 caratteri · 11 schermate
しか咲かないから、それは決して数葩すなわち数花が開くとは言えないのである。
上のように燕子花を捕えそれが断じてカキツバタその物ではないと宣告しさると、しからばその燕子花とはいかなる正体の草であるかの問題に逢着する。すなわちこれはすこぶる興味しんしんたる裁判であるといえる。
私はわが独自の見解に基づきこの燕子花、それはかの『渓蛮叢笑』の燕子花をもって、キツネノボタン科に属する飛燕草属の一種なる Delphinium grandiflorum L. var. chinense Fisch. であると断定して疑わない。この種は支那の北地ならびに満洲にも野生してふつうに見られ、秋に美花をひらいて野外を装飾する。今その草の状を見ると『渓蛮叢笑』の文とピッタリ吻合する。たとえその書の文が短くても、これを翫読してみるとそこにその要点が微妙に捕捉せられているのが認められる。和名をオオヒエンソウと称する。
上のごとくカキツバタが燕子花ではないとすると、しからば同草の漢名はなんであるかということになるが、私は寡聞にしてまだカキツバタの正しい漢名を知らない。カキツバタは北支那にもあるからきっとなにかその名がなくてはかなわないが、今はそれが判らない。