Classici giapponesi con furigana
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カストリしゃじけん
カストリ社事件
Leggi カストリ社事件 (カストリしゃじけん) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.043 caratteri · 21 schermate
「つきあいたか、ねえよ。つきあえったッて、オレ、逃げちゃうもの。オトトイの晩も、なア、オレ、逃げちゃッたもん。その前のときさ、オレ、アノコと一しょだもの、逃げちゃいけねえし、あゝいう時は、いけねえよ。たかられちゃってさ、オレ、オカネが一文もねえんだもの、アノコが千五百円とられやがんのさ。仕方がねえから、オレ、金歯ぬいて、売ったんだ。変だよ、なア。金歯だって、歯にくッついている限りは、やっぱり、カラダの一部分じゃねえか。だからさ。お前。金歯を売るなんて、やっぱり、身を売ることじゃねえか。つまり、オレ、パンパンやっちゃったと思うんだ。パンパンやって、アイツに千五百円返してさ、つまらねえじゃないか、ホラ、口んなか、ここんとこさ、こゝから、貞操がなくなっちゃって、オレ、不愉快なんだ。バカにしてやがるよ、なア、オイ」
「お前は、なんて、名前だ」
「オレは、詩人だけど、知らねえかな、知らねえだろうな、知ってりゃ、偉いよ。土井片彦ッて名前は、殆ど、人が知らねえからな。然し、オレだって、持ちこみ原稿ばかりじゃねえもの、頼まれた原稿だって、書いてるよ。なア。原稿料だって、二千円、もらった月もあるんだもの、もっとも、半分しか払わねえや、そんなの、ないじゃないか、然し、オレの社も、原稿料の払いが悪いから、オレ、まったく、赤面する