Classici giapponesi con furigana
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ガラマサどん
ガラマサどん
佐々木 邦
Leggi ガラマサどん di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 99.079 caratteri · 202 schermate
「…………」
「人間は何うせ死ぬんだ」
「はあ」
「死んで元々じゃないか?」
「はあ」
「悟りを開かなければいけないよ」
「はあ」
「人間は一遍しか死なない。然う思っていれば、何も恐れることはない筈だ」
「はあ」
「この頃の若いものは精神修養が足りないから、何かというと慌てくさって度を失う。困ったものだ」
と社長は悉皆御機嫌が悪くなっていた。
「何とも汗顔の至りでございます」
と私は恐縮した。
「松本君は何うだ?」
「はあ」
「はあじゃ分らん」
「何とも汗顔の至りでございます」
「これから些っと気をつけ給え。見っともないじゃないか?」
「気をつけます」
「下らない西洋の活動写真を見る暇に、日本人として精神修養を心掛けちゃ何うだね?」
「心掛けます」
「西洋人は地震を恐れる。以前この会社の社長をしていたハイゼなんかは地震というと蝙蝠傘をさして二階から飛び下りたものだ。君達は趣味が西洋人の趣味になっているからいけない」
「はあ」
「音楽にしても、西洋物に心酔して、義太夫の妙味が分らない」
「…………」
「絵だってペンキ屋の描いたような油絵が好きじゃないか?」
「…………」
「実に困ったものだ。もっと日本人らしい精神修養を心掛け給え」