Classici giapponesi con furigana
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ガラマサどん
ガラマサどん
佐々木 邦
Leggi ガラマサどん di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 99.079 caratteri · 202 schermate
「宜いとも」
と私は素より発起したのだから異存がない。
エレベーター・ボーイといっても、河野は立派な青年だった。
社長室や重役室に近いところを受持っている。
「こゝは客種が好いね」
と私は冗談を言ったことがある。
「へい。社長か重役か重役候補のお方ばかりです」
と河野はお世辞を言った。その重役候補が二人で晩飯を御馳走したのだから、大いに恐縮して、
「一体何ういう御用でございますか?」
と伺いを立てた。
「他のことでもないが、明日の昼、社長と僕達がエレベーターに乗った時、五階と六階の間で一分間ばかり止めて貰いたい」
「はゝあ。何うするんでございますか?」
「社長を驚かすんだ。実は……」
と松本さんが経緯を簡単に説明した。
「折角でございますが、御免蒙ります」
「何故?」
「そんな悪戯をすると首になります」
「首は僕達が保証する」
「大丈夫でございましょうか?」
「安心してい給え。万一にも叱られたら、僕達が無理にさせたと言えば宜い」
「しかし……」
「一寸止める丈けだ。『故障です。あゝ、ロープが切れたようです』と言ってくれゝば、尚お結構だけれど」
「そんな嘘は申上げられません」
「それじゃ止める丈けなら宜いだろう? 機械の都合で然ういうこともあるんだろうから」