Classici giapponesi con furigana
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ガラマサどん
ガラマサどん
佐々木 邦
Leggi ガラマサどん di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 99.079 caratteri · 202 schermate
一寸の虫にも五分の魂がある。
「何故だい?」
「私はお仕事をお引受けしている以上は早く完成したいのです」
「それは分っているよ」
「義太夫も結構ですが、材料になるようなお話を承わりたいと存じます」
「材料は毎日生きたのを提供しているじゃないか?」
「しかし一通り御経歴を承わって置きませんと、何処から手をつけて宜いのか分りません」
「いつも同じことばかり言っているんだね。精神を書けば宜いんだよ、我輩の精神を」
「それは及ばずながら心掛けているんですけれど」
「我輩が義太夫を語っているところを書いても、我輩の精神が現れそうなものじゃないか?」
「さあ」
「斯うやって腕組をしているところを書いても事は足りる」
「肖像画なら兎に角、自叙伝となりますとナカ/\然うは参りませんよ」
「いや、君は普通の伝記類に囚われているから、経歴に重きを置くのさ。もっと砕けてかゝって貰いたいね。例えばシェキスピールにはシェキスピールの精神がある。その精神を充分に伝えるように書いたものは、たとえ生年月日やその他の事実に多少の間違があっても、立派なシェキスピール伝じゃあるまいか?」
と社長は自分こそ同じことばかり言っている。