Classici giapponesi con furigana
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ガラマサどん
ガラマサどん
佐々木 邦
Leggi ガラマサどん di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 99.079 caratteri · 202 schermate
「乞食はした覚えがないけれど、下等なことなら可なりやっている」
「それを是非伺わせて戴きます」
「我輩は請負人の手代として諸官省へ出入をする間に屡カギをやった」
「はあ?」
「鍵さ。これだ」
と社長は人さし指を曲げて見せた。
「はゝあ」
「職人を大勢使っているから、工事がないと立ち行かない。松本老人は『おい、やって来いよ』と命じる」
「やってお出になるんですか?」
「うむ。仕方がないさ。皆やるんだもの」
「よく捉まりませんでしたな」
「蛇の道は蛇さ。そこを巧くやる」
「これは標題として乞食よりも更に結構に戴けます。一介の泥棒から大会社の社長へ」
「馬鹿!」
「はあ」
「泥棒じゃない」
「でもカギと仰有いました」
「そのカギとはカギが違う」
「はゝあ。これは失礼申上げました」
と私は何うも軽率でいけない。社長が上機嫌だと、つい調子づいて叱られる。
「カギというのは馴合入札のことだ。例えばこゝに一万円見当の工事がある。一万円で取れば儲かるんだけれど、皆競争で安く入れる。九千円ぐらいでも安心していられない。この辺の理窟は君にも分るだろう?」
「はあ」
「ところが一万円の工事を一万円で取る法がある。