Classici giapponesi con furigana
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キチガイじごく
キチガイ地獄
夢野 久作
Leggi キチガイ地獄 (キチガイじごく) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.486 caratteri · 46 schermate
ね。そんな処で思いがけなく、奇妙な恰好をした丸裸体の人間を一匹撃ち落したのですからね。……何ともいえない鬼気に迫られたのでしょう。四五日もかかって遡った急流激潭を、タッタ一日で走り下って、エサウシ山下の谷山別荘に帰り着くと、人知れずホットしいしい、ウイスキーを飲んで眠ったものだそうです。
ところがその翌る朝のこと。何かしら近所の人々の騒ぎまわる声が耳に這入ったので、何事かと思ってAが飛び起きてみると……どうでしょう。見覚えのある私の丸裸体の屍体が、自分の寝ている離れ座敷の直ぐ下の、石段の処に流れ着いているではありませんか。……その時の気味の悪かったこと……。あの石狩川の上流で、私を撃ち落した時以上のイヤな気持ちに、ゾーッと襲われたと云いますが、それはそうでしたろう。世にも恐ろしい因縁と云えば云えるのですからね。
しかしその屍体を、そのまんま知らん顔をして見逃がすことは、流石にAの好奇心が承知しませんでした。のみならず、その屍体の血色や何かが、何となく違っていることが、素人眼にもわかりましたので、附近の者に手伝わせながら、気味わる気味わる石段の上の芝生に引き上げて、馳け付けて来た医者と一緒に介抱をしておりますと、そのうちに意識を回復しかけた私が、非常な高熱に浮かされながら、盛んに譫語を云い初めたものだそう