Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ケーベルせんせい
ケーベル先生
Leggi ケーベル先生 (ケーベルせんせい) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3238 caratteri · 7 schermate
その代りにくすんだ更紗形を置いた布がいっぱいに被さっていた。そうしてその布はこの間まで余の家に預かっていた娘の子を嫁づける時に新調してやった布団の表と同じものであった。この卓を前にして坐った先生は、襟も襟飾も着けてはいない。千筋の縮みの襯衣を着た上に、玉子色の薄い背広を一枚無造作にひっかけただけである。始めから儀式ばらぬようにとの注意ではあったが、あまり失礼に当ってはと思って、余は白い襯衣と白い襟と紺の着物を着ていた。君が正装をしているのに私はこんな服でと先生が最前云われた時、正装の二字を痛み入るばかりであったが、なるほど洗い立ての白いものが手と首に着いているのが正装なら、余の方が先生よりもよほど正装であった。
余は先生に一人で淋しくはありませんかと聞いたら、先生は少しも淋しくはないと答えられた。西洋へ帰りたくはありませんかと尋ねたら、それほど西洋が好いとも思わない、しかし日本には演奏会と芝居と図書館と画館がないのが困る、それだけが不便だと云われた。一年ぐらい暇を貰って遊んで来てはどうですと促がして見たら、そりゃ無論やって貰える、けれどもそれは好まない。