Classici giapponesi con furigana
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きなだむら
ゼーロン・淡雪 他十一篇
牧野 信一
Leggi ゼーロン・淡雪 他十一篇 (きなだむら) di 牧野 信一 (まきのしんいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.321 caratteri · 54 schermate
そして再び腕の台に転落すると、またもや激流にのった小舟の威勢で見る影もなく、拉し去られた、――私は堪らぬ義憤に駆られて、夢中で後を追いはじめたが忽ち両脚は氷柱の感で竦みあがり、空しくこの残酷なる処刑の有様を見逃さねばならなかった。空中に飛びあがる憐れな人物の姿が鳥のように小さく遠ざかってゆくまで、私は唇を噛み、果ては涙を流して見送るより他は術もなかった。――それにしても私は、こんな奇怪な光景を眼のあたりに見れば見るほど、見知らぬ蛮地の夢のようでならなかった。
後に聞くところに依ると、あの激しい胴上げを十何遍繰返しても気絶をせぬと、村境いの川まで運んで、流れの上へ真っさかさまに投げ込むのだそうである。結社の連中は必ず覆面をして黙々と刑を遂行するから、被害者は誰を告訴するという方法もなく、人々は一切知らぬ顔を装うのが風習であり、何としても泣寝入より他はなかった。
あの時の万豊の最後は、あれなり私は見届け損ったが、狙われたとなれば祭りや闇の晩に限ったというのでもなく、蛍の出はじめたころの或る夕暮時に、村会議員のJ氏が役場帰りの途中を待伏せられて、担がれたところを、私は鮒釣の帰りに目撃した。