Classici giapponesi con furigana
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きなだむら
ゼーロン・淡雪 他十一篇
牧野 信一
Leggi ゼーロン・淡雪 他十一篇 (きなだむら) di 牧野 信一 (まきのしんいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.321 caratteri · 54 schermate
「俺ア別段どうとも思やしないんだが、人の口は煩いからな。」
彼は一度村長を務めたこともあるそうだが、日常のどんな場合にでも自分の意見を直接相手につたえるというのではなくて、誰がお前のことをどういっていたぞという風にばかり吹聴して他人と他人との感情を害わせた。そして、その間で自分だけが何か親切な人物であるという態度を示したがった。彼も例の黒表の一名だが、おそらくその原因は、その「親切ごかし」なる渾名に依ったものに違いなかった。伜の松二郎がまた性質も容貌も父に生写しで「障子の穴」という渾名であった。
眼のかたちが障子の穴のように妙に小さく無造作で、爪の先で引掻いたようだからという説と障子の穴から覗くように他人の噂を拾い集めて吹聴するからだという説があったが、彼らに対する人々の反感は積年のもので、一度はどちらかが担がれるだろう、親と子と間違えそうだが、間違ったところで五分五分だといわれた。
「繁ひとりがいっているんじゃないよ、阿父さん――」と松は何やらにやりと笑いを浮べながら父親へ耳打ちした。
「ふふん、酒倉の伊八や伝までも――だって俺たちは別にこの人たちをかばうわけでもないんだが、そんなに訊いてみると……な、つい気の毒になって……」