Classici giapponesi con furigana
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ドグラ・マグラ
ドグラ・マグラ
夢野 久作
Leggi ドグラ・マグラ di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 424.847 caratteri · 824 schermate
と葉巻を右手に取りながら、真白な歯を一パイに剥き出してクワッと笑った。
私は飛び上った。
「ワッ……正木先生……」
「アハハハハハ……驚いたか……ハハハハハハハ。イヤ豪い豪い。吾輩の名前をチャンと記憶していたのは豪い。おまけに幽霊と間違えて逃げ出さないところはイヨイヨ感心だ。ハッハッハッハッハッ。アッハッハッハッ」
私はその笑い声の反響に取り捲かれているうちに全身が、おのずと痺れて行くように感じた。右手に掴んでいた正木博士の遺言書をパタリと大卓子の上に取り落した……と同時に、それを書いた正木博士の出現によって、今朝からの出来事の一切合財がキレイに否定されてしまったような気がして、急に全身の力が抜けて来て、又も、元の廻転椅子の中へ、ドタンと尻餅を突いてしまった。幾度も幾度も唾液を呑みながら……。
そうした私の態度を見ると、正木博士はいよいよ愉快そうに、椅子の上に反りかえって哄笑した。
「アッハッハッハッハッ。ヒドク吃驚しているじゃないか。アハハハハハ。何もそう魂消る事はないんだよ。君は今、飛んでもない錯覚に陥っているんだよ」
「……飛んでもない……錯覚……」