Classici giapponesi con furigana
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ドグラ・マグラ
ドグラ・マグラ
夢野 久作
Leggi ドグラ・マグラ di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 424.847 caratteri · 824 schermate
「……無考えにも程がある……」
その声は私の頭の上から大磐石のように圧しかかって来た。しかも今までのタヨリない、淋しい態度とは打って変って、父親の言葉かと思われるほどの威厳と慈悲とが、その底に籠っていた。
私は又、何故ともなく胸が一パイになりかけて来た。正木博士の筋ばった両手の指が机の端を押え付けて、一句一句に力を入れて行くのを見詰めながら……。
「……これ程の恐ろしい実験を、ここまで突込んで行り得る者が、吾輩でなければ、外には今一人しかいないであろうという事は誰でも考え得る事じゃないか。又それがわかればその人間の名前が、ウッカリ歯から外へ出されない事も、直ぐに考え付く筈じゃないか。……何という軽率さだ」
「……………」
「況んや本人は既に……一切を自白している」
「……エッ……エッ……」
私は愕然として顔を上げた。
見ると正木博士は、青いメリンスの風呂敷に包まれた調査書類を、右手でシッカリと押え付けながら、冷然として唇を噛んでいた。それは何の意味か知らず、或る神聖な言葉を発する前提と思われる。その緊張した態度に打たれて、私は又も頭を垂れてしまった。
「その自白の記録が、この調査書類である。