Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ネオンよこちょうさつじんじけん
ネオン横丁殺人事件
海野 十三
Leggi ネオン横丁殺人事件 (ネオンよこちょうさつじんじけん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.095 caratteri · 26 schermate
彼は半ば探偵意識を活躍させながら、一方ではその意識を浅ましく舌打ちしながら、後方をずっと見渡して、またもや別な物音がするかしらと耳を澄ましていたが、それから後はカタリとも音がせず、先刻鼓膜をうった音でさえ静寂の中にとけこんで、あれは自分の耳鳴りであったろうかと疑われるのだった。五分、六分、七分……。
「呀ッ、怪しいやつ……」
ネオン横丁の出口にあたる四ツ角の、薄暗い光の下に、何者とも知れぬ人影がパッと映ったが、忽ち身を飜して電車道の横丁へ走りこんだ。その人影は帆村荘六の醒めきらぬ眼にハッキリした印象をのこさなかったが、和服を纏った長身の男らしく思われた。
「事件だ!」
彼はそう叫ぶと、今度こそは本当に正気になって、あの人影がうつったネオン横丁の出口をめがけてバタバタと駈けだした。その四ツ角から左に曲って、人影を追ったがどうしたものか、どこにもその姿は見当らなかった。電車道を越えて、小路の多い大久保の方へ逃げこんだものと見える。そうだとすると、追跡は全く不可能になる。
帆村は追跡をあきらめて、元の横丁へ、とってかえした。いまの人影は、どこから出てきたのだろう。