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Classici giapponesi con furigana

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フレップ・トリップ

フレップ・トリップ

北原 白秋

Leggi フレップ・トリップ di 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.698 caratteri · 293 schermate

Aozora Bunko

「こうした百姓家では牧場も持っていなそうですがね。」と、私は白髪の和製タゴールさんに訊いた。

「や、何でさあ、最寄りの原っぱへ連れて出るのでさあ。このあたりはまだ原っぱばかりですからね。」

なるほど到る処の夏草であった。

私たちが外の板橋へかかると引きちがいに、同じ観光団の誰彼がどかどかと踏み込んで来た。

この悪趣味の連中が、あの二人の老婆たちの幽かな半日の楽みを驚かし、あの無作法で何か憤らしてくれねばよいがと、私は振り返ると、手を振った。

「や、こりゃひどい家だなあ。」という銅鑼声がうしろにした。

通りへ出ると、同じく丸太組の家が、それももうよほど廃頽している軒並が向う側にも続いていた。日本人の家も交っていた。

その中に、主家の外に牛舎か何かの建増しをしている露人の一戸があった。

肥った年輩の父親とその息子らしい二人の少年が、まだ骨組ばかりの屋根の上にあがって、専念に新らしい不足の垂木をぶちつけていた。父親は鼠の鳥打帽に藍色の労働服、息子たちは白っぽい鳥打帽に白のシャツに白ズボン下、夏はまことにその屋根の上の新材木と軽装の三人に光っていた。

ところが、いつの間に群ったものか、赤や白の薔薇の徽章を浴衣の襟、あるいは背広のボタンの孔に挟んだ観光団の数十人が、往来から盛んにカメラを向けて騒いでいた。