Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ボロやのしゅんじゅう

ボロ家の春秋

梅崎 春生

Leggi ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.411 caratteri · 263 schermate

Aozora Bunko

(あの垣根も早いうちに修繕しなければ、やがてぼろぼろになってしまうだろう)

彼はけだるく身体を起しながら、垣根の方をぼんやり眺めていた。朽ちかけた竹垣だが、発田の家と彼の家の仕切りになって、往き来できないようになっていたのに、発田のおかみさんが燃料にするために引抜くから、近頃では犬が自由に出入できる隙間ができた。そのうちに人間が通れるようになるだろうし、やがては馬も通れる位になるだろう。今のところは犬だけだが、あのぶち犬は日に三四度は何となく彼の庭にやってくる。茶のぶちをつけたりして、感じのわるい犬だ。牡丹の根を掘ってみたり、捨ててあるものをくわえて持って行ったり、つまらないいたずらばかりする。この間も線の切れた電球をくわえて行ったが、あれはどういうつもりだったのだろう。先日乾しておいた彼の革財布をくわえて行ったのも、この犬にちがいない。

(しかしどうしてこんなに身体が重いのだろう?)

身体のどこかが変調子になっていることを、彼はこの頃はっきり意識していた。とにかく身体がひどくだるくて、それに応じて気持もひどく重い。気持がすこしも動かない。ある鈍麻が彼の全部を漠然と満たしている。