Classici giapponesi con furigana
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ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
Leggi ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.411 caratteri · 263 schermate
それは中山と一緒に酒を飲んで、水に落ちたあの夜以来だ。
昔からの友達の三元が、どうした心境からか強盗をはたらき、とうとう碑文谷署につかまった。ほっておく訳にも行かないので、その善後策を相談するためにあの夜中山と会ったのだが、とにかく酒でも飲もうということになり、ふたりで神田のマーケットに行った。中山の行きつけの店で、匂いの強い酒をコップに五六杯飲んだと記憶する。それから外にでて、マーケットの裏側のくらいところを二人でふらふらあるいていると、どういうはずみか、彼の身体は弾かれたようによろめいて、外套のまま、防火用の水溜りに落ちこんでしまった。落ちこんだというより、まるで突きとばされたような具合であった。おそろしく深い水溜りで、しかも底はどろどろの沈澱物で、足が立たなかった。黒い水に顎までひたして、もし本能的に水溜りの縁を両掌でつかまなかったなら、大変なことになったかも知れない。中山の手を借りてやっと這い上り、酔いも醒めて、そのままで急いでうちに帰ったのだが、下着まで水がしみ通り、靴の中やズボンの折目には濡れた黒い泥がたくさん入っていた。いくら酔っぱらったとはいえ、どうしてあんな馬鹿な目にあったのだろう。