Classici giapponesi con furigana
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ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
Leggi ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.411 caratteri · 263 schermate
一人から月謝を三百円取れば、三十人で九千円になります。間代は五百円だし、八千五百円あれば一人口はらくらく養えるでしょう。そういう我ながら抜け目のない計算でした。
不破と知合いになって三日目に、僕は世帯道具や画の道具一式をオート三輪に積みこんで、はるばる八王子から代田橋にバタバタバタと引越して来ました。世帯道具の方は不破にならって、ギリギリの必需品だけにしたのです。その夜不破とかんたんな契約書を作成し、四万円を手交し、それから近所のソバ屋から引越しソバを取り、ソバを肴にして簡略な祝宴を開きました。不破夫人もその祝宴に参加して来ましたが、おどろいたことには夫人はその風貌に似ず、亭主を上廻る酒豪で、二升用意したのが足りなくて、もう一升買い足したほどでした。典型的なウワバミ夫婦とでも言うべきでしょうねえ。
ところがこのウワバミ夫婦との同居生活は、わずか一週間をもってはかなく終りを告げました。一週間目に夫妻もろとも、夜逃げというか昼逃げというか、どこかに失踪してしまったのです。これはまったく予想外な出来ごとでした。
失踪の前の晩、不破数馬はすこし酔って僕の部屋にやってきて、壁にかかっている僕の画を批評したり、あやしげな画論をはいたりしていましたが、やがてもじもじしながら、部屋代の前納という形でもいいから、二千円ばかり