Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ボロやのしゅんじゅう

ボロ家の春秋

梅崎 春生

Leggi ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.411 caratteri · 263 schermate

Aozora Bunko

赤毛布の上に坐っている発田は、ますます落着かない風に、膝を動かしたり、棚の上の玩具にせわしく手を触れたりした。伏目がちの小さな四角な眼が、ときどき険悪に光って通りに走ったりした。彼はのれんの隙間から、発田の顔や全身の表情が、次第に歪んだ苦痛にあふれてくるのを見た。

甘酒屋には彼の他には、誰も客はなかった。彼のいる卓も汚れて、いくつもしみが出来ていた。そこに彼が飲みほした空のコップが、のれんや通りの人影をゆがんで映していた。そして暫く経った。

(さて――)と彼はゆっくりと考えた。(もう出かけようか)

その時発田の店から、調子外れの金属音が突然鳴り出すのが聞えた。その音は通りのざわめきを縫って、なにかそぐわないキンキンした響きを立てて流れた。のれんの隙間から、うつむいた発田の姿が見えかくれした。よく見ると発田の膝の前には、金属片をいくつも木につらねた玩具のシロホンが置かれていて、それを発田は懸命にたたいているのであった。発田は半ばうつむいて、しきりに小さな棒を打ちつづけていた。下手糞なその旋律は、草津節であった。やけくそな調子が、キンキンした響きの中にあった。