Classici giapponesi con furigana
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ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
Leggi ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.411 caratteri · 263 schermate
「明日はきっと勝ちますよ」うす笑いを頬に浮べて彼は言った。「でも、何なら、家賃を前払いしてもいいですよ」
白木はだまっていた。彼は次の部屋に立つと、また戻ってきて、白木に金をさしだした。
「鶏の調子はいいんですか」
「ええ。まあ」
白木はすこし惨めな顔になって、金をふところに入れた。彼は散らばった花札をあつめながら、白木に言った。
「もう少しやりましょうか、コイコイ」
「いえ、もう」
莨をふかしながら、暫く経った。彼と発田が白木から引越料を貰い、お互に家を入れ替ったらどんなものだろう。そんなことを彼はぼんやり考えていた。そんな話を彼はいつか落語で聞いたことがあった。そうなっても、白木は怒りをはっきり出せないかも知れないし、またそこでこそ怒りの本音が現われるかも知れない。白木はふと顔をあげた。
「あなたとコヨコヨをやってると、不思議なんですけれどね、私はすこしイライラしてくるんですよ。勝っても、負けてもね」
「イライラね」
白木は気の抜けたようなぶよぶよした笑いを浮べて、頭をすこし下げた。
「お邪魔しました。遅くまで」
「ゆっくりおやすみなさい。明日は大変でしょうからね」