Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ボロやのしゅんじゅう

ボロ家の春秋

梅崎 春生

Leggi ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.411 caratteri · 263 schermate

Aozora Bunko

民間のバイヤーらしい。昼間には日本人のメイドが派手な下着を乾していたりする。

「そりゃ昼間は這入れるでしょう。でも、こう暗くちゃね」

なるほどその道は暗い。ずらずらと生籬のたぐいが続いていて、光はどこにも見えない。そう狭い道ではないが、近くに請負師の家があって、道の入口に古材がたくさん積み重ねてある。反対側の垣から大きな柿の木が、道におおいかぶさるように枝を伸ばしている。昼間なら見通しがきくが、夜だと実際よりもずっと狭く感じられるのだ。それに悪いことには、道の入口に細い下水路があり、コンクリートの四角な渡し板が六枚かかっている。道いっぱいの幅にかければいいのに、両端の方は省略して、中央の部分、つまり道幅の半分しかかかっていないのである。

「暗いとか明るいとかは、問題じゃないだろう」

彼は気持を押えながら言った。

「今まで乗ったタクシーは、皆這入ったよ」

「他のタクシーのことは知らないが、おれはイヤだね」

前を向いたまま、運転手の言葉は少しぞんざいになった。彼はまだこの運転手の顔を見ていない。乗り込む時、見そびれた。見えるのは帽子と首筋と肩だけである。帽子はあみだ冠りにしている。