Classici giapponesi con furigana
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ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
Leggi ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.411 caratteri · 263 schermate
そして頑丈男がポケットから、警察手帳みたいなものを出して見せたものですから、野呂の無理していからせた肩は見る見る低くなって、すっかり撫肩になってしまいました。
「はあ。僕は不破さんからこの家を買った者です」
「僕は不破さんからこの家を半分借りた者です」と僕も遅れじと言いそえました。「ともかくも一応おあがり下さい」
二人は靴を脱いでのそのそと上って来ました。僕は台所に行ってお茶を沸かし、そして板の間に四人は車座になって坐りました。肥った男が名刺を出しましたが、それによるとこれは刑事ではなく、陳根頑という第三国人でした。
「わたしは台湾生れで、現在渋谷の方で中華飯店を経営しております」と陳さんは茫漠たる笑顔で、そう自己紹介をしました。笑顔といっても、笑っているのは顔の筋肉や贅肉だけで、眼は全然笑っていなかったようでした。「実は、わたし、不破君に十八万円の貸しがあってね。こりゃ、してやられたかな。はっはっはあ」
「君たちが家を買ったり借りたりしたいきさつは?」
と刑事が僕らに訊ねました。僕らは思わず顔を見合わせた。どうも面白くない方向にことが進行しているらしい。