Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ボロやのしゅんじゅう

ボロ家の春秋

梅崎 春生

Leggi ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.411 caratteri · 263 schermate

Aozora Bunko

絹の布で坊主頭を撫で廻すようなもので、どこかが引っかかったり、けばだったり、ささくれだったりしてしまう。ままならぬものです。

こういうしゃべり方では、話がいっこう緒につかないようですね。語り口を変えましょう。あなたは、

「ちッ、けッ、たッ!」

という言葉を知っていますか? いや、ちッ、けッ、たッ、の件は後廻しにしましょう。

御存じのように、ぼくの画室は、ある家の離れを改造したもので、ぼくはここにもう五年近く住みついています。家主はぼくの遠縁に当る老婦人で、割合わがままがきき、また気楽なものですから、つい根を生やしてしまったような次第です。

離れの独り住居ですから、世帯を張っているのではなく、と言って居候というわけでもない。中ぶらりんな身の上で、それがかえってぼくにはラクなのです。町内との交渉も限られていて、たとえば銭湯、タバコ屋、惣菜屋、八百屋や酒屋、その他ぼくの生活の幅だけのつき合いで、あとは無視してもよろしい。無視すると言っても、強いて眼をつむるのではなく、ぼくも生身の人間なので、見える部分はやはり見る。かき分けてまで見ようと思わないだけです。