Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ボロやのしゅんじゅう

ボロ家の春秋

梅崎 春生

Leggi ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.411 caratteri · 263 schermate

Aozora Bunko

野呂にかかっては夕日ですら金銭に換算される。こういう男と今後同居して行かねばならない。それを思うとほんとに情なくなって、全く涙が出そうな気分でしたな。

で、またその夜も酒になった。しょっちゅう酒ばかり飲んでいるようですが、我々虐げられたる者は、虐げられたる苦しみをごまかすために、酒でも飲まなきゃやりきれないのです。この夜の酒宴は、今後の対策の協議という名目だったのですが、ろくに結論も出ずに終った。警察に訴えようかという案も出たけれど、うかうかと捺印してしまったことだし、相手はすでに差押え処分か何かを完了しているに違いないし、しかも第三国人のことだし、憎まれると大変なことになりそうだというわけで、それはお流れになりました。弁護士に相談する案もありましたが、これは野呂のケチンボ根性でぜんぜん駄目。そのうちにまた野呂の泣き上戸が始まって、れいの如く、神も仏もないものかと泣きわめく始末で、九時頃には大叫喚裡にこのヤケッパチの酒宴は終りを告げました。

そして十日過ぎ、半月過ぎても、不破夫妻はとうとう戻ってきませんでした。

こういう具合にして僕らの奇妙な同居生活は始まったのです。