Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ボロやのしゅんじゅう

ボロ家の春秋

梅崎 春生

Leggi ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.411 caratteri · 263 schermate

Aozora Bunko

結構これで八百屋の厄介にはならずに済んでいるらしいのです。ある朝、僕は味噌汁をつくろうと思い立ったが、中に入れる実がない。そこで野呂に呼びかけて、菜園のツマミ菜をひと掴み分けて欲しいと頼んだのです。野呂は快諾して、すぐに分けてくれました。そこまではよかったけれども、その夕方彼はツマミ菜の代金を請求してきた。それは市価の三倍ぐらいの法外な値段でした。僕はすっかり呆れて嘆息しました。

「実に高いなあ。いくらなんでも少し高過ぎやしないか」

「高くはないよ。これが普通だよ」

「そんなことはないよ。八百屋ではこれの三分の一の値段で売ってるよ」

「八百屋のと僕のとは違う」野呂はキッパリ言いました。「第一に、八百屋のより僕の方がはるかに新鮮だ。第二にうちのは人肥を使ってないから蛔虫の憂いがない。第三に君は八百屋に行く手数がはぶけたじゃないか。理由が三つもあれば、値段も自ら三倍ぐらいになるのは当然じゃなかろうか」

こういう野呂の論理には抗するすべはないので、渋々僕は代金を払った。それ以後野呂から僕は一切野菜を買いません。何かというとすぐ暴利をむさぼるから、ほんとにうんざりするのです。