Classici giapponesi con furigana
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ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
Leggi ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.411 caratteri · 263 schermate
それが彼の小市民的な理想なのに、不破、陳の両人からしてやられ、しかも僕という男と同居の羽目に立ち到った。それが腹が立ってたまらないらしいのです。その忿懣はほんとは自分に対して向けられるべきなのに、当面の僕にぶっつかって来るというのが真相らしい。しかしそれで黙って引き下っていては僕の立つ瀬はないじゃありませんか。
またこんなこともありました。ある日の夕方僕が板の間で画を描いていると、折しも学校から戻ってきた野呂がにこにこしながら、いいものがあるよ、と僕に一枚の小さな板チョコレートをつきつけました。野呂にしては珍らしいことですが、念のために訊ねてみました。
「うまそうなチョコレートだが、一体いくらだね?」
「売り物じゃないよ」野呂は瞬間イヤな顔をしました。「今日学校出入りの商人から貰ったんだ。食べたきゃ上げるよ」
「へえ。君にしてはずいぶん気前がいいんだね。じゃ、いただこうか」
「どうぞ。君は近頃顔色が悪いから、こんなもんでも食べた方がいいんだよ」
板チョコを食べて血色が良くなるなんて、とんまなことを言ってるなと思ったが、そのまま有難く頂戴して食べました。割に旨いチョコレートでした。