Classici giapponesi con furigana
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ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
Leggi ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.411 caratteri · 263 schermate
「ははあ」
「だからそこに手段がある。不破が権利書を確かに譲渡したと判ったら、あんたは直ぐあたしに連絡して下さい。そうすればすぐ差押えの手続きを取りますから。差押えられれば、その人の所有の権利は無効になりますな。そこであんたが滞納分の全額さえ支払えば、家はあんたのものになってしまう。ま、そんなわけだ。そんな風にとりはからって上げましょう」
「それはどうも有難うございます」と僕は胸をとどろかせて感謝の辞を述べました。「しかしお役所の仕事が、そんなに敏速に、すらすらと行くもんでしょうか?」
「そこが問題です」と彼はちょっと首を傾けました。「運動費として少し金を出せばいいかも知れませんな」
「はあ。いかほどでしょう」
「まあ、主任に二千円かな、係長に三千円、合計五千円も出せばスラスラ行くでしょう。何ならわたしが渡して上げてもいいですよ」
「ほんとですか。それはほんとに有難う。これでたすかった」と僕は安堵の吐息をつきました。「それで、あなたには?」
「わたし? わたしは要らないですよ」とこの高潔な徴収員はにこやかに笑って掌を振りました。「わたしはあんたに対する同情心から、口を利いて上げるだけですわ」