Classici giapponesi con furigana
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しこんぞめについて
ポラーノの広場
Leggi ポラーノの広場 (しこんぞめについて) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.934 caratteri · 50 schermate
おもての扉を誰か酔ったものが歌いながら烈しく叩いていて主人が「返事するな、返事するな。」と低く娘に云っていた。さっきの男も帰って娘もどこかに寝ているらしかった。「寝たのか、まだ明るぞ。起きろ。」
外ではまたはげしくどなった。
(ああこんなに眠らなくては明日の仕事がひどい。)富沢は思いながら床の間の方にいた斉田を見た。
斉田もはっきり目をあいていて低く鉱夫だなと云った。富沢は手をふって黙っていろと云った。こんなときものを云うのは老人にどうしても気の毒でたまらなかった。
外ではいよいよ暴れ出した。とうとう娘が屏風の向うで起きた。そして(酔ったぐれ、大きらいだ。)とどうやらこっちを見ながらわびるように誘うようになまめかしく呟いた。そして足音もなく土間へおりて戸をあけた。外ではすぐしずまった。女はいろいろ細い声で訴えるようにしていた。男は酔っていないような声でみじかく何か訊きかえしたりしていた。それから二人はしばらく押問答をしていたが間もなく一人ともつかず二人ともつかず家のなかにはいって来てわずかに着物のうごく音などした。そしていっぱいに気兼ねや恥で緊張した老人が悲しくこくりと息を呑む音がまたした。