Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ポラーノのひろば

ポラーノの広場

宮沢 賢治

Leggi ポラーノの広場 (ポラーノのひろば) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.086 caratteri · 43 schermate

Aozora Bunko

「山羊が一疋迷ってこっちへ来たのですが、ごらんになりませんでしたでしょうか。」

「山羊ですって、いいえ。連れてあるいて遁げたのですか。」

「いいえ、小屋から遁げたんです。いや、ありがとうございました。」

わたくしはおじぎをしてまたあるきだしました。するとそのこどもがうしろで云いました。

「ああ、向うから誰か来るなあ。あれそうでないかなあ。」

わたくしはふりかえって指ざされたほうを見ました。

「ファゼーロだな、けれども山羊かなあ。」

「山羊だよ。ああきっとあれだ。ファゼーロがいまごろ山羊なんぞ連れてあるく筈ないんだから。」

たしかにそれは山羊でした。けれどもそれは別ので売りに町へ行くのかもしれない、まああの指導標のところまで行って見よう、わたくしはそっちへ近づいて行きました。一人の頬の赤いチョッキだけ着た十七ばかりの子どもが、何だかわたくしのらしい雌の山羊の首に帯皮をつけて、はじを持ってわらいながらわたくしに近よって来ました。どうもわたくしのらしいけれども何と云おうと思いながら、わたくしはたちどまりました。すると子どもも立ちどまってわたくしにおじぎしました。