Classici giapponesi con furigana
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モノグラム
モノグラム
江戸川 乱歩
Leggi モノグラム di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.034 caratteri · 22 schermate
それに、見た所私よりも風体のととのった若い男と話すことは、悪い気持もしないものですから、まあひまつぶしといった鹽梅で、変てこな会話を続けて行きました。こういう工合にね。
「妙ですね、お話ししてる内に、私も何だかあなたを見たことがある様な気がして来ましたよ」これは私です。
「そうでしょう。やっぱりそうなんだ。しかも道で行違ったという様な、一寸顔を合せた位のとこじゃありませんよ、確に」
「そうかも知れませんね。あなたお国はどちらです」
「三重県です。最近始めてこちらへ出て来まして、今勤め口を探している様な訳です」
して見ると、彼もやっぱり一種の失業者なんですね。
「私は東京の者なんだが、で、御上京なすったのはいつ頃なんです」
「まだ一月ばかりしかたちません」
「その間にどっかでお逢いしたのかも知れませんね」
「いえ、そんな昨日今日のことじゃないのですよ。確に数年前から、あなたのもっとお若い時分から知ってますよ」
「そう、私もそんな気がする。三重県と。私は一体旅行嫌いで、若い時分から東京を放れたことは殆どないのですが、殊に三重県なんて上方だということを知っている位で、はっきり地理も弁えない始末ですから、お国で逢った筈はなし、あなたも東京は始めてだと云いましたね」