Classici giapponesi con furigana
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モンアサクサ
モンアサクサ
Leggi モンアサクサ di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4629 caratteri · 10 schermate
ある。
浅草もちかごろは変ったそうだ。お客が変った。
タロちゃんの言葉によると、終戦後、日本が変ったと人々は云う。然し、どこがどう変ったかとなると、誰もハッキリこうだと云えないものであるが、その日本の変りという奴をイヤというほどハッキリ見せつけられるのが、浅草のお客だそうである。
森川信だの清水金一などゝいう浅草育ちの一座を、殆ど知らない。そういう一座の名前によって、客が集らなくなった。問題はダシ物一つだそうである。
そこでタロちゃんはニヤニヤしながら、こう言うのである。
「つまり、ヘソですよ。ヘソを出しゃ、お客がくるんだからね。ヘソなんか見たって、面白おかしくもないじゃないか。ネエ。そうだろう。誰のへソだって、ヘソにあんまり変りはないよ。自分のへソを鏡に見たって、いたゞけるシロモノじゃないじゃないか。ヘソを見て、よろこぶんだからネ、ひでえことになりやがったよ」
ちなみに、ヘソレビュウという奴を書いて、日本演劇史に新紀元をつくった脚本書きは、ほかならぬタロちゃんなのである。まことにどうも、よからぬ男だ。
然し、ダシ物によってしか客が来なくなったということは、浅草の一大進歩と申すべきだろう。